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信州クマ研

 信州ツキノワグマ研究会は、長野県を拠点に活動するNPO法人です。最初の活動は、1995年上高地のホテルの生ゴミに餌付いた2頭のツキノワグマ(タローとジロー)の捕獲・放獣でした。

設立の経緯

 設立当時の長野県では、人身被害や、農林業被害による、人間社会との軋轢が年々増大し、その対策として何の検証もなく

「クマ出没」=「有害駆除 (捕殺)」という構図が出来上がっていました。また、上高地での活動では当初、クマの生態学的な研究を目的としていましたが、国立公園である上高地でもクマの駆除が行われている現実を知り、ヒトとクマとの軋轢が山岳域にまで及んでいることに衝撃を受けました。

理念

信州クマ研では、野生の象徴でもある大型野生動物ツキノワグマへの理解を深め、ツキノワグマとその生息環境の保護・保全を図り、野生動物と人間との共存の実現に寄与することを目的とし活動を開始しました。

ですので、信州クマ研は、愛護団体ではありません。科学的根拠に基づき、クマと人とのより良い関係を考えていきます。

​活動実績

信州ツキノワグマ研究会設立の翌1996年には、「有害駆除」により捕獲された、農業被害関係の2個体(朝日村)および養蜂被害関係の1個体(望月町)に対し、「お仕置き・放獣」を試行することができました。
これが長野県における初めての「非致死的」な手法によるクマ対策となりました。

これらの放獣個体には、テレメーターを装着し、その後の行動を追跡することにより、クマの行動様式や環境利用、さらに農業被害との関連などについて、多くの知見が蓄積されてきました。
こうした結果を背景に、これまでのクマ対策の根本的な見直しの機運も生じ、2001年から施行された長野県の「ツキノワグマ保護管理計画」には、非致死的な手法によるクマ対策が明記されるまでになりました。

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今後の活動

しかし、人間とクマの共存が全面的に認められ、クマの生存権が認められるには、まだまだ、解決しなくてはならない問題が山積しています。
クマに対する正しい知識の普及、人間の行動圏とクマの行動圏の線引き、クマの生息環境の整備、各種被害の防除、クマに対処できる専門家の養成などです。
研究会はこれまでに、ボランティアとして実現のために努力してきましたが、これからは、永続的な組織としてこれらの事業に取り組んで行きたいと思っています。

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